用意周到な自分のオチのある話。

自分は仕事に関しては用意周到である。

遊びはその場、その場の事が多いが、仕事では事前に準備をする。

自分の会社では毎週木曜日に部署の朝礼があり、今日は自分が当番だった。

自分は人前で喋る事が嫌いで当番は憂鬱である。

各地域で報告事項とトピックスを話すのだが、このトピックスが厄介だ。

ぶっちゃけ、なんもないのである。

特段、話したい事はないが、皆話してるからなんか言わないと程度の話だ。

だが、専門性の高い職場。変な事は言えない。

自分が当番の時はメモを作る。

話したいコンテンツについて題名を書き、それぞれの単語に関して、紐づけられたキーワードを色別に記す。

困ったら同じ色のところに注目すれば良いという寸法だ。

これだけでは飽き足らず、イメージトレーニングを重ねる。

そうすると、質問されたらどうしようがたくさん出てきて、さらに資料を集める。

寝る前はイメージトレーニングに囚われる。ドキドキしてうまく眠れず、朝も起きたらドキドキだ。

今朝は晴れていて、頭は重くなかったが、正直、出社したくはなかった。

自分の地区のミーティングを軽く行い、zoomを開く。

上司が色々言っているが、イメージトレーニングでいっぱいで頭に入らない。

各エリアからの発表になり、自分の番を待つ。

息が詰まりそうだ。

呼ばれた!

自分は報告事項、トピックスを一気に捲り立てる。

うまく伝わるように、なるべく突っ込まれない事を祈りながら。

喋り終わると、司会をしていた上司が言った。

「あ、電波悪いからメールで送ってくれる?」

唖然とした。

あぁ、僕はどこに向けて喋ったのか。

切れた緊張の糸を手繰り寄せ、どうにか気の抜けた返事だけ返した。

その日は一日、疲れ切った精神で仕事をした。

結果論だが、テキトーでよかったなとも思う。

まぁ、勉強にもなったし、良いか。

パソコンを打ちながら虚な目と精神で思った。

とにかく、今日もお疲れ様でした。

では、また。