後日談、というか今回のオチ

f:id:tomyzk:20240305205552j:image

 

「19:01 」

17:40くらいから始めた終業に向けた作業をやっとひと段落させ、退勤を登録したら、もうそんな時間だった。

1時間の残業か。

今日は比較的早い時間に帰宅できそうだ。

ここのところ、終わり時間の対応が相次ぎ、これくらいの残業なら気にはならない。

後輩と少し雑談をした後、帰路に着く。

ありがたいことに自分は職場から家まで5〜10分くらいしかかからない。

イヤホンをして好きな音楽を聴きながらお茶でも飲んでいたら、あっという間に着いてしまう。

今週が始まって二日目。

さっさと帰り、明日の準備をすればいいものの、今日は全く違う方向に歩いていた。

目的はただ一つ。

ライフガードを探す。

というだけである。

あなたが目撃者、から数日後たったある日、ひぐちさんが前説で使った青汁を劇中のセリフを使ってポストした事を発端にした飲み物探し。

それが思いの外(というかいつのまにか)盛り上がってしまい、気付けば、皆が探し回っているような状況になってしまった。

その中でもなかなか見つからなかったのがライフガードである。

自分としては、まぁ、あったらいいんじゃないか?くらいのテンションだったが(まずもって青汁も探したわけじゃなかった)、皆、走り回って探してしまい、いつの間にか、見つけてないのが自分だけになっていたのである。

諦めても良かったのだが、何となく、あれー?これ自分も探す系ですか?となってしまい、今日に至るわけである。

今日は寒く、雨が降り、低気圧という、自分には厳しい天候であった。

しかしながら、今日探しに行こう、と思ったのは、あなたが目撃者、という作品が雨と強く印象が結ばれているからだろうと思う。

荻窪に通った4日間のうち3日間が雨だった。

ひどく寒い一本道を劇場に向け歩いたものである。

特に初日はいろんな感情が混じり合い、通い慣れた荻窪小劇場への道が遠くに感じられものである。

あの日々よりは少し気温の高いが降りしきる雨の中、ライフガードを探して報告するだけ、これだけのために家の前を通り過ぎ、店を目指した。

あまり傘を刺すのが好きではない自分はフードを目深にかぶり、歩く。

自分の家の近所に業務用スーパーとドラッグストア、スーパーが集まった場所がある。10分ほど歩くがそこならあるだろうと思い向かう。

だが……

ない!

ない!!

ない!!!

予想以上にないのである。

業務用スーパーなぞは注視してみないとスールーする謎飲料は沢山あるのにライフガードだけないのである。

唖然としながら店を出て、どうしよう……と考える。

1分ほど考え、そういえば目の前が商店街である事を思い出した。

商店街なら自販機も店もあるはずだ。とりあえずしらみつぶしにすればなんとかなるはずである。

ただ、商店街ではあるが、いわゆる下町の商店街だ。夜には閉まってしまう。

暗くなり商店街を寒く、バラバラと降る雨の中、ひらすら行進する。

去年から痩せて寒さに弱くなった身体が冷え、指先の感覚は無くなりかける。

思ったよりも何もない商店街が恨めしい。

商店街の出口に近づき、そういえば、中高の頃によく行っていた100円ローソンがあるのを思い出した。

最近、売ってなくても、この先に行くには腹ごしらえが必要と思い、立ち寄る。

f:id:tomyzk:20240305213424j:image

あったのである。

飲み物を見つけて感動したのは昔、スターウォーズのボトルキャップがおまけについていたペプシを探し回った時以来だ。

暖かい店内と相まって少し力が抜ける。

側から見たら変なテンションでライフガードの写真を撮る変人が爆誕したのである。

とりあえず、一本手に取り、お腹も空いたので、イカ耳を買い、外に出た。

人通りのない商店街を背景にライフガードの写真を撮る。

後にも先にも感慨深くライフガードの写真を撮る機会なんてないだろう。 

そうして、舞台の内容的にはジャーキーの方が良かったかな?なんて考えながら、イカ耳を食べながら家に帰ったのである。

家に帰ったのが20:01。

ぴったり1時間の散策であった。

買ってきたはいいもののダイエット中ゆえ飲めないライフガードを見ながら今、この記事を書いている。

明日も忙しいくせに何やってんだ自分と思うが、まぁ、楽しかったから良いか、という心地だ。

舞台初日からもう直ぐ2週間経つのに、今日も誰かが、あの日々の話をしている。

目で見る景色は違うから、それぞれが目撃したものは同じではない。

しかしながら、思い出を分かち合う日々はとても尊いと思うのだ。

また、明日も忙しい。

いつもより1時間早くアラームをセットして、明日に思いを馳せ、この話は終わりにしようと思う。