平川教授に呼ばれて 感想

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昨日はミヤビ様ご出演

 

平川教授に呼ばれて

 

を拝見してきました。

 

お馴染みの劇場で迷わないよね!!

 

何か謎解きのあるミステリーらしく、ワクワクでした。

 

最終的には真壁が大原の作り出した幻覚というお話でした。

確かに影が薄かった(厳密には大原以外には見えてないから存在がない)や飛行機墜落事故に関してあまりエピソードがなかったり、かなりヒントはありましたね。1番最初に引っかかったのは初めの登場シーンあたりの「あなたも平川教授によばれて?」というセリフでした。確か、大原は平川教授の事を話していなかったはずなので、あなた「も」は、怪しい……と思いました。あとは誰も大原とは目を合わせていなかったからですかね。

今回のお話のオチは平川教授が大原のトラウマを克服させるための実験であったというものでした。

真壁自体が大原によって出来た幻視である。そして、それは航空機事故によって友人を亡くしてしまった、しかも、一緒に乗るはずだった自分は生き残ってしまって。いわゆる、トラウマからくる幻視です。

脳の記憶というのは自分に都合のいい光景に補正をかけます。

それゆえに自身の見たくない部分を受け入れるということは一種の苦痛を伴うのです。

ですが、人間はいつか現実を受け入れなければなりません。

しかし、自身と向き合うというのは自分が思っている以上の精神力が必要であり、それでいて、自分が想定しているよりはるかに他人の力が必要になります。

そんな中、何故、平川教授は見ず知らずの他人を集めた実験をおこなったのでしょうか。

ここからは考察になりますが、大原の周りには真壁以外の人間がいなかったのではないかと思います。

1番最初に大原が真壁に野間のことを紹介し、自分のお話を聞いてくれるという旨の発言に対してこんな時代には珍しい良い人だね!と言った発言がありました。

つまりは真壁が大原の話を聞いてくれる珍しいいい人、大原にとっては唯一無二の友であったのではないかと思います。

大原の多弁的で異なる見方をすれば空気を読まずしゃべってしまう性格。

あの性格を受け入れてくれるのが真壁だったのでしょう。

しかし、そんな友を失ってしまった。自分は偶然生き残って。

何の前触れもなくひとりぼっちになってしまったことを受け入れられない大原の心は真壁の幻覚を作り出してしまったのでしょう。

しかしながら、それは受け入れるということではありません。いつまでも、虚構にしがみついていては人は生きていけないのです。

そのために平川教授が行った治療法として自身のトラウマと向き合わせる為に、人間をあつめる方法をとったのだと思います。

病んでいる人に現実を突きつけるということは残酷です。しかし、治療を行う側は行わなければならない。その為にも平川教授は皆を呼び、そして、自身も皆になったのだと思います。

また、この物語の登場人物は優しいけど優しさが残酷な人といった感じだと思います。

患者の治療のために残酷な現実を突きつけなければならなかった平川教授。

想い人を傷つけたくなくて、自身が傷ついて、壊れてしまった井崎。

壊れてしまった井崎にどこまでも優しくして、でも踏み込めなくて、手を伸ばして掴む勇気が出せなかった野間。

お互いを思いやり、思いやり過ぎて、傷つけてしまう仁科と河野。

そして、自身はもういないということを言えないけどそばに寄り添う真壁。

これらは自己犠牲の優しさであると思います。

自己犠牲の優しさは諸刃の剣です。

相手を傷つけたくなければ自身が傷つき、相手に優しくしようとすれば傷つけてしまう。

優しいことについては美徳であるのは間違いないです。優しさは誰でもできますが、誰にでもできることではありません。

しかし、本当に優しいって何だろう。そんなことも考えさせられる舞台でした。

 

ミヤビさんは今回もカッコよかったですね!野間は絶対にいいやつなんだけど、いいやつ止まりなんだよなー!!井崎からは友達扱いなんだろうなーー!!井崎の結婚式とか出て会場でニコニコして帰りに泣くんだろうなー!!切ない。優しくて素敵なイケメンでした。イケメンでした!(自分、共演者の方々、拝見した方談)

 

さて今年もミヤビさんを沢山応援できました。

来年も沢山できるといいですね!!!

 

では、また。