キューピッド! 感想

f:id:tomyzk:20231011210851j:image

先日、福士真未様、ミヤビ様ご出演

キューピッド 大人編・子供編

を拝見してきました。

 

ココアさんの現代劇の続編です。

前回、かなり気になる幕引きになっていたので、続きが見れるのを楽しみしていました。

 

子供を身ごもったすももと責任を取るために動く春彦をめぐる大人編、ついに登場したあ石川三姉妹の三女、いろはと愉快(?)な仲間たちの子供編。

 

それぞれがいろんな形の恋や愛をめぐるお話しでした。

 

自分が感じるに今回は

大人編:愛することの正義感

子供編:恋することの自由感

という、対比的なお話しであったと思います。

恋愛という言葉に表されるように、恋と愛はワンセットであると思われます。しかしながら、そこには大きな「責任」という隔たりがあるように思います。愛するという行動として今回大人編でキーワードになったのは「結婚」でした。

他人から家族になるという、一種、呪縛ともなる結婚。それはお互いを家族として愛することが「必要」であるのではないかと思います。昨今では結婚という事も多様な形がありますが、それでも土台に関しては「愛」ではないかと思うのです。今回、すももと春彦が結婚に踏み出すきっかけとしては「できっちゃた婚」でした。子供を「授かってしまった」という、ある意味では不都合な現実が二人を結ぶことになります。現実では中絶などなかったことにするという選択肢もあります。しかしながら、春彦はいい加減な気持ちではなく、すももを愛するという選択肢を取りました。彼女を愛する、それ故に、彼女に子供を産んでほしい。それが自分の信じる愛の正しさだという事は彼の正義感であると思われます。入口こそワンナイトではあったものの、それから先の愛を信じる正しい行動であると彼は思ったのでしょう。しかしながら、それは「彼の」正義ではあったのです。すももはパティシエになりたいという夢がありました。それを彼に知られることはなく、彼の想いにこたえようとして結婚の話を進めようとします。すももの夢を知らない春彦にとっては自分を信じてくれたと思うことでしょう。しかし、奥底では彼女の夢を踏みにじる行動をしてしまっていたことになってしまったのです。もし、結婚という道に至っていなければ、それぞれの正義はお互いの夢を守ることであったのではないかと思います。最終的には春彦の正義が暴走してしまいすももを傷つけることになってしまいました。春彦は己の正義を貫こうとした、それ故にすももの正義を打ち砕いてしまった、という結果になりました。そして、最後、すももは自分の正義であった夢をつかむための留学という行動をとります。果たして、その先には春彦の正義はあるのか、それとも、対立してしまうのかは、続編を待ちたいと思います。

 

子供編は恋をすることの自由さを描いていたと思います。中学とか高校の頃って、どんな立場にあっても結構恋バナが付きまとう時期だと思います。別に興味がなくても誰が誰を好きだー、という話はあとを絶ちませんでした。恋人がいるという事は一種のステータスであったようにも思えます。でも、結構、不自由でもなかったでしょうか。所謂クラスのマドンナ的な人を好きになったといえば高根の花だといわれたり、ちょっと変わった男子を好きだといえば変人扱いされたり。まだ価値観という事が分かり切っていない中高生では好きになることが自由だけど不自由であったように思います。いろはも司波(変人)を好きになることを弄られてましたよね。クラスでちょっと浮いた変な奴だけど好きになってしまう、それ自体はおかしなことではないですが、恋愛をするとなったらイケメンや美女に!という中高生特有の価値観でちょっとおかしいと思われることもあるのかもしれません。今回の子供編の登場人物はそれぞれがコンプレックスを抱いていました。中高生でそれを知っているとなるといじめに発展することも少なくないとは思います。ましてや、親の事なんて子供がどうこうできる問題ではないのです。しかし、それでも人は生きていかねばならず、それで軋轢が生まれることもあるのかもしれません。今回は恋する自由を見つける物語でしたが、最終的には価値観の自由のお話しであったとも思っています。何か人と違うから、考え方が異なるから、それ故に排除することは簡単ではあります。しかし、そこに自由さを組み合わせ、価値観を認めるこちができればそれはより素敵な人生になるでしょう。最後に司波は自由さを受け入れいろはに告白しました。その先の話は次回のお話しを楽しみにしたいと思います。

 

今回通して自分が好きなシーンが一つあって、ふみかがすももに対して春彦を愛することに関して問いかけるシーンです。一番好きなのは「後悔」をしないかと尋ねるセリフです。前作でふみかは自身の恋人の未来のために自分の愛を捨てるという選択肢を取りました。きっとそれは大きな後悔であると感じているのでしょう。自分と恋人とが一緒に歩く未来、それがふみかの「夢」あったと思います。普段の生活ですももがパティシエになりたいという事はふみかは聞いていたのだと思います。ですが、それでも自分の夢ではなく春彦の「正義」を貫こうとするすもものすがたに過去の自分を重ね、そして、家族として、すももを愛する姉として彼女が決意した未来を信じて「後悔」しないかという問いかけをしたかと思うと胸がぐっとなるシーンでした。

 

今回もそれぞれが続きが気になる話で終わったので、早く続編が見たいです!

 

では、また