鳶風 感想

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本日は虚 弔様ご出演

 

鳶風

 

を拝見してきました。

 

始め、「鳶風(とびかぜ)」が読めず、

なんか、うん、鳥の名前なんだろうな... 

 

というかなり曖昧な知識でした…

 

自分が拝見に伺った本日はいわゆる最終日でした。

公演が始まるまで、ビジュアルなどで、おお、硬派な時代劇っぽいやつかな、と思っていましたが、先には意見に行った皆さんの反応を見て、うん?ダンス??笑った??などあまり理解していなかった(調べてない自分が悪い)のですが、とても楽しみに当日を迎えました。

 

今回は2部構成であり、

がんばれ風魔小花子

空の輪、鳶・段蔵

の2つに分かれていたので、それぞれ感想を述べたいと思います。

 

がんばれ風魔小花子はとにかくコメディ要素が強く、それでいてかっこいい殺陣があり、見ていて爽快な舞台でした。今回の主人公、風魔小花子がとにかく明るく、良い意味で忍者っぽくない、しかしながら、己の信じる忍道を突き進むかっこいい主人公です。自分が好きになったのはバトルスタイル!あれは棒...?なんですかね。自分の中で動き的に一番近しいものを感じるのが一番好きな仮面ライダー響鬼だったので、アクションシーンを見ていて、おお!!となりました。そのほかにも、それぞれがいろんなところでわちゃわちゃやっているので、よく見るとめちゃくちゃ面白いことをしている!となりました。ちなみに、一番好きなキャラクターは風魔おせわです。忍者だけど普段はおちゃらけているような、でも、実はめっちゃ強いのでは?という感じがすごく自分のツボでした。NARUTO自来也っぽい感じ。あとかっこいいなと感じたのは千登勢でしょうか。やっぱり、かっこいい女性に目が行ってしまうようです。ラストでめっちゃしたたかなのもいいな!って思いました。本編の8割はとにかく愉快で爽快でいい意味で考察が必要ない感じでしたが、ラストシーン風魔の財宝を知るのは、なぜか鳶の名を持つもので…と話に深みを持たせる演出でめっちゃ2部が楽しみになりました。

そして、2部、空の輪、鳶・段蔵、ではなぜか未来で風魔の財宝のありかを知っている加藤段蔵の話の一部がシリアスに描かれます。こちらももちろん殺陣があるのですが、こちらは命の取り合いという感じが強く、バトルというよりは戦という感覚でした。話の主軸は戦の世における名の定めではなかったかと思います。自由に生きることができない、それは一種の贅沢でもある時代でもある戦国時代、争う理由、生きる理由は己の定めではなく、名の定めであった者たちも多くいるでしょう。今回の登場人物たちもそうであったと思います。それぞれがお家のために、その名のもとに生きることに必死なのでしょう。そのためには裏切りは日常茶飯事なのかもしれません。生きる事こそがその名を絶やさぬという事のために生きるもの、その名の義理のために死を選んでまで生きるもの、たくさんの念慮がありました。ナツメが息を引き取る前にあの、財宝を見てしまっては…的なセリフがありました。戦の世では富とは名声であり、名声は武力である、己が生きるためにはより強いほうに付くという事は、ある意味では正しい行為です。そのために、欺き、裏切る。それは己が生きるための正義の一つなのかもしれません。もちろん、猪曲輪やちかこのように風魔の名を語り継ぎ、そのために忠誠を誓い戦うという事も正義です。戦の世の争いはすべて己が信じる「正義」でした。負けてしまったほうが「悪者」になる。いや、として語り継がれてしまう。そういう世でした。本当に理念や理想、思念でがんじがらめの世だったのでしょう。その中で、己の自由のために生きる段蔵は眩しかったのか…ラストシーンを見る限り、ある意味では己の自由を信じる狂気的な「正義」であるのかもしれません。

2作品ともただの勧善懲悪ではなく、悪者にもそれなりに生きる意味があるし、生きていかなきゃいけないんだよね。という事をそれぞれのスタンスで見せていただいたように思います。

ダンスあり、お笑いあり、殺陣あり、の本当にエンターテイメントだ!!という感じの120分でした。

明日からは嫌な人にも、あー、なんぞこいつも頑張って生きとるんかなー、とかぼんやりおもいながら接したいと思います。

では、また。