蜩〜ひぐらし〜 感想

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本日はリトルブレイバーさんの新作、

蜩〜ひぐらし

を観劇してきました。

約2ヶ月ぶり?ぐらいのリトブレさんです。

今回は純愛劇。

最近、ドロドロしたのを観ていたりしたので、新鮮な気持ちで拝見しました。

ちょっとした一目惚れから起きる、奇跡・悲しみを描いた作品でした。

恋愛って、思い通りになった代償に、何かが思い通りにならない。それが、一種の醍醐味だと思っている。

そんな中、今回の主人公を襲ったのは心臓病であった。

自分は医療従事者をしているが、正直、こういう状況は年齢関係なく少なくはないと思う。

いつ、どこで、人はどうなるかなんてわからないのである。

それを運命という人もいるだろう。

時に、人は悲観した時、その悲しみに人を巻き込みたくないという気持ちになる。

実際に、家族と離縁したなんていう話も聞いたことがある。

この先に愛しい人を悲しませないために、今、悲しませてしまう。

それが、正しい選択かはその当事者しかわからないだろう。

今回、自分が注目したのは医師である紬としての視点である。

医師というのは真実を伝えないといけない。

それは、辛い仕事である。

特に死を告げることになれば、怒りや悲しみが当人に向けられてもおかしくはない。

今回も初めは怒りが向けられた。

しかし、誤りにきた彼をしっかり受け入れ、また、主人公の病状を気づいてしまった友人にしっかり病状を話すなど、物語の中核ではないが区切りとして大事な役目を果たしていると思う。

今回、主人公と演出・脚本を務めていた新谷さんが最後に言っていた

「1日を大事に生きていく」

ということ。

内容としては、当たり前のことかもしれない。

だが、人間が一番忘れやすいことなのではないかと思う。

だが、こうして舞台を通して人の生きる重要性を再度確認できるのは人生において重要なのことなのではないかと思う。

人生で大事なことを再度、思い出させてくれる、良い舞台であったと思う。

ちなみに、今回、一番面白かったのは紬先生役であった初鹿野さんであったと思う。

前説を独自のキャラでぶん回すのも面白かった。自分が一番気に入ったのは多分アドリブのシーンである「イワシ」のシーンである(観に行った人しか分からないが...)何食べたいに対して、新谷さんの「イワシ!!」に対して明らかに初めは戸惑っていたが、一旦はけて、戻ってきた時の

「釣れたけど、どうする!!!」

のシーンが最高だった。

観た人にしか上手く表現できないがとにかく切れ味が鋭かったのである。スパッとしたセリフと鋭角な面白さ、舞台に戻ってくる時の勢いが素晴らしかったと思う。

あえていうなら、日本刀的な面白さであった。

さて、今回は純愛ものであり、とても大事なメッセージが込められた作品であった。

また、この舞台を観て思い出した大事なことを振り返り、明日も頑張りたいと思う。