焦慮の花 感想

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本日は虚弔さん出演の舞台

焦慮の花

を観劇してきました。

R15➕作品でどんな作品か少しビクビクドキドキ。(怖い系が少し苦手)

劇場は今週から三週連続通うことになるπTokyoさんです。

なんとバーと舞台が一体化しているような感じらしいので、どんなかんじがウキウキしながら行きました。

到着するとなんとバーエリアと広いスペースがあり、そこを舞台としながら囲むように客席が点在している。

なんと客席と舞台がシームレスなんです。

今までにない観劇スタイルに感銘していました!!と言いたいところですが、それよりも気になることが...

それは舞台いっぱいに散らばった新聞紙、楽譜。

そして、そこにべっとりとついた血糊でしょうか...

あぁ、これは怖い感じに違いない...

そう確信し、とりあえずジンジャエールを飲みながら心を落ち着けます。

詳しい内容はまだお話しできませんが、心臓がゾクッとするような、メンタルがギュッとなって、最後は赤黒い感情を喉に流し込むような感じのする舞台でした。

とにかく、特徴的なのが暗闇でのシーンです。

重要な場面は暗闇が使われるのですが、暗闇というのは人の感性を嫌でも増大させます。

その中で、重要なシーンを暗闇で見せることによって人の感情をより揺さぶりやすかったのだと思います。

さて、今回、虚さんが演じた役、ノゾミについてネタバレしない程度にお話ししましょう。

自分が一番初めに感じたのは狂うべくして狂うことへの価値観への恐怖です。

今回、ノゾミが美大生という役柄なのですが、いわゆるキマってしまっているのです。

自分は美術に関しての知識はあまりないのですが、過去にクスリをやって作品に挑んでいた芸術家はいたようです。

彼女もその一員になりたかったのでしょう。物語の中で一瞬だけ語られる彼女の挫折は彼女にその道を選ばさせるにはきっと十分な理由だったのです。

クスリにはたくさんの作用があります。

自分も薬剤師になる上で勉強しましたが、それは悲惨なものでした。

彼女の中ではそれが美しかったのでしょう。

彼女は美しいものを表現する。

そのためにはなんでもする。

それゆえに、彼女は狂うべくして狂ったのだと思います。

演技の点ではとにかく虚さんの緩急のある演技が素晴らしかったです。

狂気を明るくする。

暗い絵の具で明るい絵を描いているようなそんな演技でした。

見ていると色んな意味でドキドキするシーンもありました(是非劇場で見てください)。

暗い暗い油絵のような狂気を塗り重ねることで、自分では正常に。でも、他人が見た時、恐怖や畏怖を感じるそんな演技でした。

しっかり怖かったですよ!!

びっくりする恐怖というよりは、心臓を握ってくるタイプの怖さでした。

あぁ、怖かった。

今回は虚さんの絵も随所に飾られており、舞台の花となっています。

少し早めに入場して見学するのもおすすめです。

後、虚さんの描いた絵のポストカードが売っています。

見ていると、ああこんな舞台だったとおもいだせるので、飾るように購入するのがおすすめです。セット1000円でお手頃。

ちょっと間が空いて久々の舞台。

頭を揺らされて気持ちよく怖がることができました。

次回は明るい感じだそうなので、そちらも楽しみ。

では、また。