時計塔のレイラ 感想

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本日は 虚弔様 ご出演

 

時計塔のレイラ

 

を拝見してきました。

 

すっごく久々に渋谷に行きました。20年くらい東京にいますが1,2回くらいしか言ったことがありません。

駅近ということもあり、無事にたどり着け観劇することができました。

 

今回の「時計塔のレイラ」というお話は人類が滅びゆく世界で時計塔という一種のコロニーを形成し、その中で過ごす人々と、突然その世界で目覚めた9人の少女の物語です。

自分がこのお話を通して感じたことは、宗教と生命という人間が拠り所とする現象にどのように人は接するべきかということです。

今回の舞台である世界では人間は死外線という光の影響で塔の外には出ることができない、もっと正しく言うなら、出ることができないと思い込んでいる世界でした。しかしながら、塔の中では衣食住がそろっており、何不便のない生活ができたのです。つまりはこの塔にいれば安全だ、この塔が守ってくれる。という思考の下で生きてきました。つまりは、この塔で存在している人々は塔の事を絶対視しており、そこには宗教的な信仰があったのです。たとえそれが、塔の中で生き、住み、死にゆくだけだとしても、それが正しいことであるという絶対的価値観の中で生きているということになります。その象徴としてレイラは存在し、崇め立てられてきました。しかし、宗教的な考えが生じるということは盲目的であり、自身の志向が希薄になるということにつながるとも言えます。そして、人間であればそこに付け込もうとする志向が生じるものが出てくるというのもまた事実です。オリバーはいわば新興宗教の教祖という立場になろうとしたのだと思います。神を信じさせるということを教え込み、いつの間にかその神に成り代わる。そうすることによる絶対的主権者になることが彼の目論見だったのでしょう。日本の農村などでも見られますが小さなコロニーでは新興宗教が発展しやすく、また、それを信じないものは除外される運命にあります。今回は純粋な思考だけの宗教ではなく、衣食住に関連してきているので、それが縛り付ける度合いというのは創造以上だと思います。さて、宗教を継続させていくのに重要なのは自分を盲目的に信じてくれている信者を作ることでしょう。そこで、出てくるのがエブリンとルナです。この塔の人物たちはコックや医療従事者などそれぞれに何かしらの役割が与えられてきました。しかしながら、物語を通してこの2人には何も役割が与えられていないという描写が出てきます。しかしながら、オリバーの計画において一番重要なのはこの2人だったのかもしれません。彼女たちは最後の最後までオリバーが正しいということに執着していました。つまりはこの2人こそが盲目的信者だったのではないでしょうか。きっと、時にはオリバーが怪しいという思考を持つ人が出てくることもあったでしょう。しかしながら、そのようなときに必ず味方、あるいは、自分の勢力が必ず2人いるということはそのような思考をつぶす際にいかに重要であるかということは創造するに容易いでしょう。そうしてオリバーは宗教的に人を支配し、神に成り代わったのです。

しかしながら、イレギュラーが発生します。9人の少女です。彼女たちは塔を絶対視する思考の中で生まれ育っていないので、オリバーを神聖視していません。つまりは彼にとっては邪魔であるとしか言えないのです。彼女たちの正体は人類を残すために人工冬眠を受けた被験者でした。そして、その実験を施したのはオリバーの先祖。つまり、この事態はイレギュラーでありながら、オリバーにとっては起こりうることとして織り込み済みの事態でした。そのため、当初は彼女たちを懐柔すべくいかに塔が素晴らしく、この塔の外は恐ろしいかということを説いていました。しかしながら、其の策はうまくいかず、彼女たちはそれぞれの生き方を模索し始めます。これによって、この世界に生命の在り方、という概念が入り込んできたのです。自分が今回生命の在り方の中で一番考えさせられたのは、安楽死と延命という考え方です。塔の中の人々はいわば延命処置を受けているような存在で、それは塔自身も例外ではありませんでした。チャーリーの一族はずっと時計塔を延命させるための処置を行ってきました。つまり、試行的にはどのような状況であろうとも生き続けることが正しいという考え方の傾向にあったのだと思います。しかしながら、チャーリー自身はその思考に疑問を持ったのでしょう。最後には時計塔を自ら壊し、終焉を迎えました。もし、イチカ達がおらず、何も問題のない世界つを続けていれば彼女はそのような選択肢をとったのかが気になります。また、この世界のイレギュラーといえばバウストリートランナーズでしょう。彼らは塔こそが正しいという思考を排除する存在でした。一部オリバーに利用されてはいましたが、最終的は塔の中だけが正しいという住民の思想を変えることができています。思想の正しさというのは採集的には本人の意思にゆだねられますが、その思考こそがすべてではないという、いわば、セカンドオピニオン的な存在だったのかもしれません。オリバーは最終的には窮地に追い詰められ、安楽死できる薬を調合したミアの策略によって死んでしまいます。また、ヤエとクララは最終的に自分がやりたかったことをやり通す代償として安楽死を選択しました。安楽死に関しては日本ではまだ認可されていませんが、海外では認められているところもあるというのは事実です。世の中にはいろいろな苦しみががあります。そして、それらは避けられることができない場合も多々あるのです。その時に、死が救済になるかはわかりません。しかし、狭い世界で自分のなすべきことをしたうえでの死は尊むべきなのでしょうか。このお話で安楽死を迎えたオリバーとヤエ・クララで決定的に違うことは前者は道半場で、後者は目的を達して亡くなったということです。そこにある未練の差は大きいでしょう。人が安楽死を選ぶのは未練を断ち切るためなのか、苦しみから逃れるためなのか、そもそも、正しいことなのか、そもそも正しい生き方とは何だろうか、それらはきっと答えが出ません。安楽死を選んだ以外にもずっと死ぬわけでもなく見守ることを選んだイチカ、塔の中で生きることを選んだナナミとサンゴ、時計塔で生きながら外で生きることをあきらめないニーナ。それぞれが糸いろな生き方を選びました。美しい人生の終わりとは何だろう、それまでに生きることの意味って何だろう。そんなことを感じました。

さて、今回の虚さんですが、いつものかっこいいお姿とは少し違い大変パステルで可憐かつ可愛らしかったですね!虚さんは何かに執着している(過去例:エドルト、オクスリ&美術)感じのする演技がとても鮮烈で、信者的な叫びのシーンはかっこよさも感じました。ダンスシーンはキラキラしていましたね!自分の席からは真正面で見ることができたのでとってもハッピーでした!!!あと、自分が好きなシーンはイチカとエマが話しているシーンのとなりで仲良くわちゃわちゃやってるシーンです。めっちゃほうきで遊んでて、なんかほっこりしました。

そのほかにも、オタク気質ながら決めるときはかっこよく決めるジャックが好きになりました!ニーナとのその後が気になります…

あと、薬剤師のミア!薬剤師はなかなかスポットされることがないので、舞台で役として出ていて本職としてもうれしかったです。農薬関連は本当に一応勉強します(種類とか解毒とか)。また、WOLFで拝見した円田さんが演じてくださっているのもうれしいポイントでした。

今日1日で本当にいろいろなことを考え、たくさんの楽しいを摂取できました。

そして、4月は虚さんに本当にいろいろな世界を見させていただき、感謝しています。

今後も、いち、かりうどとして応援していこうと思います。

 

では、また。